全員営業のポイント 第66話『 営業組織の基本中の奇策 』
梅雨があけ、夏の日差しが照るころに
なると、いつも想い出す記憶があります。
私が営業でがんばっていた頃の話です。
最高温度のニュースがテレビをにぎわす
ある日の夕方遅く、外回りから会社に
帰ったと同時に、席につく間もなく、
私を見つけた部長が叫びました。
『今日の営業は、確か大きな案件だな。
どうなったか報告しろ!』
1年後、別の人が部長になっていました。
同じように、大きな商談があった日に
外から戻ると、私を見た部長が言いました。
『お疲れ様。今日は大事な商談だったな。
報告してくれ。但し、汗がひいてからでいいぞ』
どちらの部長が、仕事にヤル気が出て、
会社に行くのが楽しかったかは言うまで
もありません。
理由は簡単です。一方は数字にしか興味が
なく、もう一方は数字だけでなく一緒に
働く仲間にも意識が向いていたからです。
論点は変わりますが、熱が出ると、人は
体力・知力とも通常より格段に下がります。
気温が37~38℃になるということは、
微熱と同じストレスが常にかかっている
状態ともいえます。
そんな時、営業に必要以上の追込みを
すれば、本当に体調を崩しかねません。
少数精鋭であればあるほど、時期に
よっては、一人倒れるだけでも現場の
動きが混乱します。
例えば、あなたの組織でお盆の前の週に
急に誰か1人が熱を出して引継ぎもなく
そのまま3~4日倒れてしまったら?
かといって、部下への手綱を緩めろという
のではありません。なぜなら、経営者や
上司がほっとくと、ただでさえ平均以下の
営業は真夏の行動量が落ちるからです。
部門全体の調子を確認しつつ…
営業マンの体調にも留意しつつ…
緩まぬように、崩さぬように…という
さじ加減こそ、力量が問われるところです。
体調が万全なことや、頭がスッキリして
いて仕事に集中できる状態であることは、
社会人の常識以前のことかもしれません。
しかし、あまりに当り前すぎて、どの会社
を見渡しても、個人任せであり会社組織
としては無頓着になっています。
それゆえ、ほんの少し留意するだけで
業績と組織を活性化することのできる
“基本中の奇策”と言えるのです。
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