全員営業のポイント 98話『 営業組織が動く姿 』
目で見てわかることには、必ず原因と結果が
あります。
売上が上がるのは、どこかの段階でお客様に
見積書を提出したからです。
また、見積書の提出にいたったのは、そういう
話になるような場面が、過去のどこかであった
からです。
売上などの動いた結果はいうに及ばず、現在、
営業組織あるいは会社全体が直面している課題
は、極端な突発事故でない限りは、必ず過去の
どこかに原因があります。
先週、サッカー日本代表の新監督が内定しま
したが、サッカーでは代表監督よりも、クラブチーム
の監督の方が余程厳しいものです。例え、前年優勝
していても、5試合連続で負ければ、解任されること
があるほどの厳しさです。
そんな中で、過去名古屋グランパスの監督に
携わり、現在は、英国のアーセナルを19年の長き
に渡り率いて、世界の強豪チームで最も長期政権
を築いているベンゲルという監督がいます。
彼は、『サッカー選手で、最も得難くかつ高度
な能力は、クリエイティビティである」という類のこと
を言ったことがあります。
スポーツの世界にとどまらず、経営の世界でも
一流と三流をわけるのは、見えないものが見える
かどうかです。
見えないものなんだから、見えないのが当然
だろうという説は横において、要は、現状から
どれくらい先のことが読めるかということです。
とはいえ、ここで一つ考えてほしいことがあります。
今から5年前を振り返って、この5年間に市場で
起こったことは、どれくらい読めたでしょうかか?
日経平均が1万8千円を超えるにいたったり
日本企業の中国市場からの相次ぐ撤退、もっと
いえば、マクドナルドやベネッセや和民の危機は
読めていたでしょうか?
要は、5年先の未来ですら、具体的なことは
誰一人として読めないものなのです。
しかし、大手企業の経営や、中堅企業の数億
単位の投資などについては、3~5年先の計画は、
実現するかどうかは別にして確実に存在します。
※あくまで、現状の社会情勢や業界動向や業績数字
が維持されればという前提ではありますが・・・。
ゆえに、BtoB取引では、経営数字や投資計画は、
前提条件つきではあっても、2~3年先までは読もう
とすれば読むことはできるのです。
できる営業組織は、今の売上を追いつつも、2~3年
先を見ながら動きます。そのことにより、具体的な現実が
予測できない未来であっても、目の前に起こる変化により
兆候や変化の度合いを推測し、それに備える手が打てる
ようになるのです。
決して、できる営業組織が、市場の変化や、取引先の
急な計画変更に影響されない訳ではありません。
ただ、競合よりも、半歩だけ先に動けることにより、
その影響を最小限に収めたり、最大限に活用できて
いるだけなのです。
一方で、ダメな営業組織は、目の前で起こったこと
の影響すら想像もしないため、火の粉をかぶり、かつ
痛みを感じてから、初めて対応に移りがちです。
ゆえに、同業の中でも対応が、後手後手に回ります。
ましてや、普段から経営者の指示が出ても、対応が遅れ
たり、実施せずやりすごす営業組織であれば、なおさらです。
そのような会社が直面している課題を振返ると、
最近発生したことよりも、3年前または遥か以前
から兆候も現象もあったことの後始末に追われて
いることが多いものです。
さて、あなたの会社で話し合われる課題は、
未来型でしょうか、それとも過去型でしょうか?
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