全員営業のポイント 122話
経営者が会社業績を立て直す時
昨晩は、スーパームーンという、特に月が大きく
見える夜でした。月のおかげで、地球の引力や潮力
のバランスが保たれ、酸素も水も享受できている
のは有難い話です。
引力や潮力は、一見すると、それ自体が作用
しているようですが、その原因は、月が最も影響
しているように、他者からの影響を大きくうけています。
会社の業績も同じです。いくら自分達でできる
精一杯のことをやっていたとしても、海外展開を
すれば、国際事情や世界経済の影響を受け、仮に
地域限定の事業であっても、競合相手の動きに
左右される場合が必ず出てきます。
これは、月の満ち欠けのようなもので、予測は
できても、その影響が読みきれないところがある
ため、対処するしかないときがあります。
小さな影響であれば、普段の地道かつ着実な工夫
をしっかり継続することで乗り切れますが、時に
大きなものであると、それだけでは、影響を吸収する
のが難しくなります。
また、大きな影響については、変化の度合いは
もとより、影響される期間の長さも関係するため、
延々と現場の改善をくりかえしても、影響が
しばらく続くことがあります。
経営者が、会社の業績をあげるのは営業部門
の仕事であり、責任だという考えに凝り固まって
いると、その状況の建て直しは、すべて営業部門
に集中して振りかかります。
確かに、最前線で奮闘するのは、営業部門が主体
かつ中心なのは、『全員営業』でも変わりはない
のですが、経営者がまず把握するべき重要事項は、
会社が受けている影響度の把握です。
影響度が、一部門の活用では解消しきれない
大きさであるのに、ワンパターンで、営業部門に
ばかり業績責任を押し付けていては、やがて鞭打
たれ続けた営業部は、疲弊しきってしまう上に、
状況そのものは一向に改善しないことになります。
直面する業績の変動(特に下降時)が、そもそも
一部門のてこいれのみで、解消するには不十分な
大きさならば、会社のすべての部門・社員が一丸
となって立ち向かう必要があるのです。
もし、どこかで機会をとらえ、普段からその体制を
整えていれば、今までなら業績の波風が多少立って
いたものの何割かは、そよ風で収まるようにもなっ
てきます。
いつまでも、営業現場を鞭打つ対応ではなく、
会社の経営全体を見直す『全員営業』は、攻守両面
の経営戦略であるとともに、いざ非常時の際に備え、
普段から、全社一丸の体制を同時に整備しておくこと
ができる方策と言えるです。
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『中小企業のための全員営業のやり方』
※総合法令出版刊 1,400円(税別)
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★11/19 すべての部門・すべての社員を営業戦力化
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