全員営業のポイント 147話 本物と偽物の経営理念の違い
先日、ある経営者から質問された内容があります。
それは、「経営理念」は会社に必要か?というものでした。
私の回答は、「会社の状況と経営者の覚悟次第」でした。
京セラやリクルートのように、経営理念をもとに経営して
成長している会社もありますが・・・
では、経営理念と会社業績が連動している企業と、現状との間に
ギャップがある企業では、どちらが多いでしょうか?
ビジネス書の名著に、「ビジョナリー・カンパニー」が
あります。しかし、その第一作に出ている会社のほとんどが、
10~20年後に業績不振に陥っているのは、冷徹かつ皮肉な
現実です。
それほど世代を超えて成長するのは、難しいという証明ですが、
1点、アメリカ企業と日本企業の大きな違いがあります。
それは、株主と経営者との同一性です。
仮に、上場企業でなく、非上場オーナー企業であったならば、
どうでしょうか?
上場会社にするということは、毎年、配当と株価を気にして、
自らの会社経営に、株主から判定をうける体制に変わることを
意味します。
一方、非上場オーナー企業であれば、仮にある時期は、
業績不振でも、創業家が信じた理念をもとに経営を行って、
社員に決まった給与を支給していれば、他人がどう思おうが
気にする必要など一切ありません。
私が、経営理念の必要性は「会社の状況と経営者の覚悟次第」
と答えたのは、世間でいうビジネスモデルという儲け方の話
ではなく、中小企業において経営者(創業家)が会社経営を
どう定義するかにこそあると考えているからです。
真の経営理念とは、経営者としての生き様を、言葉で表した
ものです。
仮に、この生き様で、世の中と社員に受け入れられなければ、
それは仕方がないと納得できるだけの覚悟があるものを指します。
そこから導き出される経営理念であれば、実は社員以上に、
経営者を律するものであり、経営理念≒社長のライフワーク≒
人生を賭ける信条となります。
そうでない会社の経営理念は、これをホームページにアップ
すればお客様が増えるかもとか、現場が変わるだろうとか、
世間に受けそうというのが根底にあります。
それは、理念ではなく、経営者と社員が生活するために、
会社を儲けさせたい(≒ライスワーク)がための方便で
しかありません。
かといって、一足飛びにライスワークからライフワーク
への壁を超えるのは、中小企業では難しいのが現実なのも、
十分理解しています。
ゆえに、先ず一定期間…特に営業面を強化することで、
多少のことでは、会社がぐらつかない状況を作り出すか、
その兆しを生み出すことに注力する。
それを継続・発展させるために、確固とした経営理念を
浸透させていくというのが、私が過去18年間のコンサル
ティング体験上、全員営業の上位概念として、経営理念と
営業現場を連動させる上で、定石と考える手順です。
実際に、私の顧問先で上場を達成した複数の会社や、
10年後も堅調に成長している会社の多くは、そういう
手順を踏んでいます。
さて、あなたの会社ではいかがでしょうか?
本日のコラムの内容は、創業者のみならず、特に後継社長が、
先代の良さを継承しつつも、自分の色も出していきたい時には、
ぜひ一考していただきたいことです。
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