◆全員営業のポイント 第216話 中小企業の人手不足への提言
「辻先生、うちの業界では営業マンに限らず、新しく人を採用しようにも応募すらありません」…全員営業の導入時や相談時に、経営者から出ることのある悩みの一つです。
新卒採用を行う会社はもとより、この数年は売り手市場というのは聞いたことがあるでしょう。しかし、新卒だろうが中途だろうが、売り手市場だろうが買い手市場だろうが、過去に応募がなかった会社だと、景気や採用市場が改善しても応募が増えることはまずありません。
私は独立前に、営業強化・人事制度・採用活動の全てに関わるコンサルティング会社に在籍したので、1万社~10万人単位/年の採用活動の実態を数年以上に渡り、つぶさに直視しましたが、求人募集をすれば、ボンボン応募があるのは、雇用条件が良い人気企業か、超有名企業だけと相場が決まっていました。
しかし、超有名でもなく、規模が大きくなくとも、採用が順調にいく中小企業が少ないながらも存在していました。
そのうち、中小企業で採用に強い会社かどうかは、営業が強いかどうかとも密接に関係があるという考えに至りました。営業も採用も、その本質は、交渉であり、商談だからです。
『あなたの会社独自の強みや売りはなんですか?』
この質問に明確に答えられるかどうかが重要なカギの一つです。
新規営業では面談相手から必ず聞かれる質問の一つですが、人を採用する点でも同じです。
もし、会社の強みも特徴も把握できていないならば、営業よりも影響が大きく、確実に面談相手の人生を左右するであろう採用という場面で相手にアピールできる訳がないのです。
ゆえに、採用競争力を上げたいのであれば、その前に会社の営業力そのものを磨く必要があります。
その営業力とは、営業マンのセールストークや社会人のマナーという現場レベルのものではなく、会社の基本となる経営思想や競合他社との決定的な違いは何かという本質レベルを突き詰めることを指します。
しかし、一般的に3Kと認識されている業種や、雇用条件が平均水準以下の会社では、それだけでは不十分な場合も多々あります。
そういう場合の突破口の一つは、東京のコンビニにヒントがあります。
仮に、日本人がダメなら、いっそのこと外国人を戦力にする…
これには、工夫はもちろんのこと、当初はトラブルすら発生するかもしれませんので覚悟が必要です。しかし、私の指導先でも背に腹は変えられず、そこに目をつけて、採用強化×経営強化を実現した会社は存在しています。
いやいや、うちの営業や現場は特殊と言われるかもしれませんが、例えば、日本の電話オペレーターは台湾や韓国の人も当り前であり、アメリカや東南アジアでは外国人が寿司をにぎる店が繁盛する時代へと、既に変化しているのです。
(※注:ちなみに、外国人採用を必ずしも提案・奨励しているわけではないので、その点はご留意ください)
今一度考えてみてください。『あなた独自の強みや売りは何ですか?』と採用面接では必ず質問するのに、逆に、営業場面で相手から質問されると明確に答えられないのは本末転倒だと思われませんか?
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