全員営業のポイント! 第31話:一生懸命に逃げない大切さ

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第31話:一生懸命に逃げない大切さ

教育指導や、行動指針などで、一生懸命に仕事をする
ことを掲げているのを数多く拝見します。

仕事を一生懸命にすることは、間違いなく尊いことです。

しかし、営業において、常に意識していないといけない事は
一生懸命にやることは手段であって目的ではないということです。
 

お客様は、商品によって得られる価値や利益を手に入れたい
がために、お金を支払っています。そして、会社は、お客様に
商品を提供した時のみ利益が発生します。

 

極論ですが、特に、訪問するスタイルの営業であれば、
社会人としてのマナーと、仕事への誠実さえ感じられれば、
後は、商品の良さが適切に伝わるかどうかに注力する方が
業績をあげるには圧倒的に効率が良いのです。

 

未経験で知識が浅い新人ならば、ひたむきさも多少は
アピールするでしょうが、せいぜい入社1~2年目までです。

入社3年目以降になっても、一生懸命にやることしか
アピールできないとすれば、経験だけ重ねて、専門知識や
営業力そのものが身についていない証拠とさえ言えます。

日本には1万種以上の職種があると言われますが、よほど
特殊な仕事でない限り、プロ野球のピッチャーのように
150キロの速球をなげたり、陸上選手のように100mを
10秒台で走ることを要求されたりはしません。

つまり素質や適性が決定的な仕事につかない限りは、
2~3年真摯に目の前の仕事に打ち込めば、一定水準の
仕事力は身につくものなのです。

 

そして、その仕事力の土台となるのは、営業スタッフで
あれば、日常生活で自分が使える商品であれば、実際に
使って見ること。自分が使えない商品であれば、お客様に
直接見聞きして、お客様の言葉を使って語ること等です。
業績を上げるためには、そういった商品の良さや便利さ
を伝えることこそが大切であり、効果的な本筋なのです。

さらに、別の観点からいえば、一生懸命にやることが目的
になると、業績が上がらない時が続くと、こんなに一生懸命
やっているのになんでわかってくれないのかという、お客様
への感情が芽生えがちです。

しかし、商品を深く理解して、それを正しく伝えることが
営業であると理解していれば、まだまだ知識が足りないから
もっと勉強しようとか、次回は他の営業のやり方や伝え方を
してみようという、新たな戦略が浮んできます。

誤解しないで頂きたいのは、決して精神論を否定している
のではありません。全社員が一丸となって、なりふりかまわず
駆けずり回ることで、業績が上がる場合もあります。しかし、
そういったやり方は、現場が疲弊して2年くらいしか続きません。

営業においては、ムラがあったり、一過性のものではなく、
再現性があり、検証可能な科学的な思考・手法をもとにする
方が、成功確率が高い上に、効果が長続きします。

そして、そういった営業のやり方を仕組みとして、しっかりと
整えることができれば、人が入れ替わっても、業績が継続する
組織へとなっていくのです。