◆全員営業のポイント 第233話『会社の営業が本当に強くなる瞬間』

 

営業に悩んでいる経営者や管理職から、次の話を聴くことがあります。

『景気がもう少し良くなれば…』
『業界そのものが縮小している…』
『取引先の値下げ要求が厳しくて…』

社内の状況だけ見て数年前と比較すれば、これらの話は確かに一理あります。しかし、視野を拡げれば、上記は次のように言いかえることができます。

『日本の景気は、数字上は右肩上がり』
『業界の縮小は、競合も同じ条件である』
『値下げは、全国・全業種が直面している』

どんなに厳しい経営環境でも、業績を伸ばしている同業の会社は、日本全体だと必ず存在しているものです。

(もし、日本全体で黒字の同業種が1社もないとすれば、早急かつ真剣に新事業を考える必要があります)

ということは、会社の業績を単年度でなく、数年という時間軸でとらえれば、経営の舵取り次第と結論付けることができます。

 

売上アップしたい時、中小企業の多くは、短期的には同業の成功事例を集め、その真似をすることで何とかしようとします。

決して間違いではありません。幸運にも、自社にピッタリ合う内容であれば、時間をかけずに業績が回復へと向かうからです。

しかし、大半は、人材・サービス・取引先との力関係などが違うので、そういう手法の営業強化だけではうまくいきません。

『トヨタのマネをするだけでは、日産は永遠にトヨタを追い越せない』
『ソフトバンクのマネをしようにも、マネできる会社は出てこない』
と表現すれば、そのことが理解いただけるのではないでしょうか?

 

既に競合が実行している一定条件を整えるだけでは不十分なのです。先行する競合がやっていない範囲、あるいは、気付いてない手法を見つけて、自社オリジナルの経営革新や営業強化を行う必要があります。

更に言えば、もしも他社を真似るだけや現状維持を続けるうちに業績回復すると、ほぼ100%に近い会社が結果オーライで満足してしまいます。

すると、当初の危機感はいつの間にか薄れ、根本的な経営・営業の立て直しをすることなく、次に火の粉が降りかかるまでは、再び現状維持へと陥ります。

 

逆説的ですが、同業者のやり方をマネしても失敗が続いたり、小手先のやり方を繰り返すも上手くいかない会社だからこそ、新たな施策を真剣に考えざるを得なくなります

経営が苦しくなって、社長や経営陣が真剣に悩まれることは、長い目でみれば無駄ではありません。厳しい時期が続いたからこそ、業界の慣習に風穴をあける発想や、社内で過去やってない事を始める【きっかけ】が生まれてくるのです。

さて、御社では、経営が厳しく営業強化する際、結果オーライで当面をしのげば良しとしますか?。それとも、一段階レベルアップする機会として取り組みますか?

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