◆全員営業のポイント 第245話『働き方改革を利用した営業強化』
最近、ようやく働き方改革の内容が報道され始めましたが、まだまだ多くの中小企業では、「わが社は関係ない」という他人事のように見受けられます。
今回の働き方改革は、これまで現在の政府がやってきた…、例えば、プレミアム・フライデー等とは会社経営における意味合いと影響が全く違います。
個人的な感覚では、この潮流が数年続くとすれば、かつて労働法の改正により、業種によっては、正社員よりも派遣社員が多くなるなど、雇用形態とビジネス構造が、様変わりしたのに近い影響が出る可能性があるとすら考えています。
なかでも、今回の「働き方改革」最大の要因は、罰則付きということです。
ゆえに、会社と経営者が、どう向き合っていくかについては、次の一言で表現するしかありません。
「悪法でも、法は法」
どうせ従わざるを得ないのであれば、異論や文句をつけても状況は一切変わらないので、それを業績アップにどう利用していくかを考える方が建設的というのが、私からの提言です。
働き方改革なんて、「わが社には関係ない」と考える会社の何割かは、ただでさえ人手不足なのに、それで有給休暇を増やして、さらに残業まで減らそうとするなんて「絶対ムリ」…と最初から思考停止になってしまっていると推察されます。
しかし、そう考えてしまうのは、いままでの会社経営とやり方を今後も現状維持で続けていくという前提があり、思考の範囲が「働き方改革」をするかしないかという枠組みに留まっているからです。
そもそも、日本のビジネス環境は、人口減少に伴って、国内市場は益々縮小し、しかも、今後は新しい人を採用するのが更に難しくなるのが確実視されます。
要は、「働き方改革」や「法律改正」があろうがなかろうが、全ての日本企業は会社経営と営業のやり方を、今までとは大きく変えざるを得ない状況に、既に陥っているのです。
しかし、悪いことばかりではありません。そんな状況だからこそ、会社と経営者は、本気で生産性向上に取り組む必要が出てきているからです。
往々にして、いままでの営業のやり方を変えようとすると、一番反対するのが、管理職であったり、一番のベテランだったりします。
なぜ、管理職やベテラン社員が、反対しがちなのでしょうか?
彼・彼女たちは、今までのやり方で結果を出してきた人達ですし、今までのやり方で今回も、どうにかこうにか対処できると考えがちだからです。
また、会社の多くの営業強化の施策が、中途半端で終わってしまうのも、「今後、現状維持であっても、数年はやっていけるという甘え」がどこかにあるからです。
しかし、中小企業が、2020年4月までに、〝営業強化 と 働き方改革 と 人手不足“を同時に解決しようとすれば、従来のやり方の延長では不可能です。
ゆえに、どうしたって、今までのやり方を変えざるを得なくなりますし、全く新しい問題であるため、その発想も対応も実行も、ゼロベースで考えていく必要が出てきます。
今回の働き方改革は、受身の会社や、多くの会社でやりがちな一部の部門や管理職に解決を丸投げしても上手くいきません。
一方、主体的かつ全社一丸で取り組もうとする会社に、仮に今まで一部の反対等によって、中断しがちだった経営改革と営業現場の根本的な強化への追い風となります。
中小企業では、潜在的にいまだに根強い長時間ガンバル業績アップのやり方は会社と経営者はともかく、現場に大きな負担が増える経営スタイルでした。
しかし、少ない労働時間かつ人員でできる業績アップのやり方は、会社と経営者と社員の全てにメリットが生じる経営スタイルです。じっくり考えれば、全社員が本気で取り組むに値するテーマともいえるのです。
さて、御社では、「働き方改革」を関係ないとやり過ごそうとしますか?
それとも、「働き方改革」を利用して、何段階も生産性アップする会社を目指しますか?
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