◆全員営業のポイント 第252話『営業現場をヤル気にする賞与の支給』

 

この時期、営業現場とかなりの数の社員が、気にしている事と言えば、『賞与』です。

特に、今年は大手企業は、過去最高水準と報道されていますので、『わが社は…、そして自分は…』と楽しみにしていることでしょう。

また、中小企業の経営者の多くは、賞与の支給によって、日頃がんばっている社員へのねぎらいと、より一層の営業現場の奮起を期待しているかと考えます。

しかし、私が全員営業コンサルティング(R)の指導に入った直後に、中小企業の賞与を考察すると、かなりの会社が、もったいない支給の仕方をしています。

 

その最たるものは、賞与の支給日に、普段の給与支給のごとく振り込んで終わりというパターンです。

これでは、ありがたみは受けませんし、会社や経営者が思っていることは何一つ伝わりません。

それどころか、営業現場や社員によっては、「こんなにやってるのに、この程度か…」という失望すら生みかねません。

 

給与は、法律によって支給する内容や支給の仕方が決められていますが、賞与については、会社が自由に決めてよいことになっていますし、そもそも支給する義務はありません。

それでも、ほとんどの会社に賞与が存在しているのは、日本の商習慣として、また会社を経営する上で、採用競争力や雇用維持力として、必要だからです。

もし、御社が賞与を過去からの習慣とか、他社もやっているからと惰性で行っているとすれば、大なり小なり、普段の給与と変わらない形で支給していることでしょう。

また、評価をやっているといっても、社員の一定数が不平不満を抱えているならば、そこには修正すべき問題点があるはずです。

過去、営業強化に関連して、社員30人規模から株式上場あるいは、年商100億企業に至った会社の評価制度・給与制度を何社もコンサルティングして、運用・定着まで支援したことがあります。

そういう会社では、年2回の「賞与」を重要視して、会社からのメッセージと期待が伝わるように工夫し、活用していました。

 

「人にもの、ただヤルにせよ、上手下手」

という都都逸がありますが、ましてや、年2回の支給であれば、6ヵ月間に渡り、社員全員がワンチームとなって力を結集した成果を表したものが、会社の「賞与」ではないでしょうか?

それを、単に振り込んで終わりなど、社員が1万人規模ならともかく、数百人までの中小企業では、あまりにもったいないことです。

少なくとも、その6ヵ月間の仕事の振り返りとセットで支給すべきです。

 

しかし、一人一人に仕事の振り返りを的確にしようとすれば、常日頃から、各人の仕事ぶりをきちんと観察し、把握していないとできないものです。

「賞与」をどのように支給しているか!。この1点だけでも、その会社のマネジメントや、本音で社員をどう考えているかが垣間見えてきます。

さて、御社では、この冬の賞与をどう支給される予定でしょうか?
来週の支給なら、まだ間に合います。改善できる事はありますでしょうか?

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