◆全員営業のポイント 第232話『新たな施策を始める際の秘訣』
会社で、過去やったことない新しい施策をやろうとする
と30名を超えるあたりから、社長の一存で決定できる事
が段々少なくなってきます。
これは、事業規模が大きくなると、会社の全てに社長が
関わるのが難しくなるのと、社長の専門性以外の領域が
増えることによるものです。
どんなに優秀な社長(以下、経営者)であれ、営業強化に
おいて今までにやったことがない新しい施策を決定する際は
迷いますし、100%成功する確証は持ちようがありません。
なぜなら、分析や検討をいくらやろうが、競合や取引先が
どう動くかという不確定要素が必ず残るからです。
「現場は、いま手一杯なんです」
「それ他社はやってるんですか?」
「どれくらいやる意味あるんです?」
「なんか違うように思うんですよね?」…
これらは、現場から意見を聞くと、その一部からよく出て
くる反対や異論ですが、もっともらしいようで、重要な施策
ならば、反対するだけの理由にはならないものばかりです。
現場を意識する経営者ほど、反対や異論が出てくると、
裏には、それなりの理由があるのだろうと勘違いしがちです。
もし、経営者の意見に対して、代案を出してきて、幾人かは
その代案を推すようであれば、一考に値するかもしれません。
しかし、ただ反対や批判するだけならば、人というのは
さほど理由がなくとも出来ることを失念してしまっています。
何か新しい施策をやろうとする際、必ずといってよいほど
現場から反対意見がでてくる理由は、成功するかどうか以前に、
現状維持の方が心理的に安心する人間の遺伝子にまで遡ります。
あるいは、会社全体に関する情報や視点からの判断よりも、
自分の担当範囲内の部分最適の判断に陥りがちだからです。
ゆえに、経営者は、一定以上の会社規模であれば、満場一致
よりも、反対・異論があって当たり前と思うくらいが丁度よいのです。
私は、経営者が、社員に施策について意見を聴く場合、大きく
2種類あると考えています、それは似て非なるものです。
一つは、現場を意識した慎重な経営であり、もう一つは、
失敗時に現場にも責任を負わすリスクヘッジの姿勢です。
本来、新しい施策で、特にそれが営業強化の場合、経営者が
真に考慮すべきは、失敗をすべて回避することではありません。
なぜなら、営業強化に成功するのは、決して失敗がゼロの
会社ではないからです。それどころか、業績を順調に伸ばして
いる会社の中には、許容範囲内であれば、失敗を挑戦とみなし、
その行動自体を称賛や評価する場合すらあります。
社員の意見が分かれた時、経営者はリーダーシップが求められます。
その際、最も重要なのは、すべての社員に好かれる決定をしたり、
経営判断に反対や異論がでないようにすることではありません。
『 経営者の真のリーダーシップとは、必要な決断であれば、
多少の反対や異論を含んだままでも、一定期間であれば、
組織を自分が思う方向に動かせるかどうかです。』
さて、御社では、現場の反対や異論にどう対応されていますか?
また、今年1~9月に、どんな新しい挑戦をしてきましたか?
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