◆全員営業のポイント 第236話『賞与を上げれば営業マンは変わるのか?』
「辻先生、今年はお陰様で、赤字から黒字に転換できました」
「そこで、賞与を予定金額より大幅に上げれば、営業は来年もっとがんばってくれるでしょうか?」
会社が100人規模までなら、社長にも、個人の顔と働きとがはっきり視えるので、こういう話がでてくることがあります。
私の返答は、
「社員を厚く遇したいという社長の想いは素晴らしいです。しかし、賞与の金額を上げれば、その社員の業績が上がるかは、まったく別の話です」
この話で重要なことは、私情ではなく、経営を軸に考えるということです。
賞与を上げる(または下げる)のであれば、その根拠を明確に言葉や文章で説明できることが重要です。
冒頭の話を、自分の子供さんの成績に置き換えてみてください。
「次のテストで10点アップを期待して、小遣いを1万円上げるから、必ず10点上げろよ」
子供さんは、次のように答えるでしょう
「お父さん、点数アップと今以上に勉強するかの保証はできないけど、ヤル気だけは出たよ。その1万円ありがたくもらっておくね」
営業マンのがんばりを期待して先に賞与をあげるのは、これと全く同じです。
それに、賞与規定に準じるものがある会社ならば、賞与算定の期間が既に定まっているはずです。ゆえに、期間内のことは期間内で処理する方が、法的にも適性なやり方といえます。
(その賞与規定と内容に問題ある場合もありますが、今回その話は横に置いときます…)
実際に、営業現場の意欲を、今後も高めたいのであれば、賞与の金額だけをいじる小手先の技ではなく、骨太な別の方策をとるべきです。
業績が右肩上がりの状態を今後も継続させたい本気の経営者は、1年程度の売上アップでは、まだまだ気を抜きません。
全員営業を更に浸透させるため、第2段階として、たとえば「組織や育成」といった営業以外の経営強化へと移行していきます。
その結果、3~5年以上も業績が右肩上がりして、10億の会社が30億、30億の会社が100億…と、会社そのものが違う次元へバージョンアップすることへつながっていくのです。
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