◆全員営業のポイント 第243話『営業が強くなる会社の特徴』
「売上アップには、現場のモチベーションを上げることが重要と良く言われますが、先生はどう思われますか?」
先日、経産省sbicで登壇した際に質疑応答で出された質問です。また、経営者との個別相談でも、かなりの確率で出てくる質問です。
この質問に関する私の答えは、シンプルです。
「モチベーションをあげて競争に勝てるなら、高校野球の甲子園大会は、戦力が一番強いチームでなく、勝ちたい気持ちの一番強いチームが優勝する」
とはいえ、営業現場のヤル気を上げる施策は、まったくムダとは言いません。
例えば、「この3月は期末なので、最後まであきらめるな!」と経営者が叱咤激励すれば、一時的に多少は業績に影響するからです。
しかし、このやり方は、施策を上・中・下としたならば、中策以下の内容になります。
なぜなら、上策は、決算期の3月に入ってから慌てなくていいように、そこまでの11か月間で業績達成が目に見えるように整えておくことだからです。
ここで考えて頂きたいのは、御社では、昨年4月~今年2月の11か月間で、どんな新しい施策を考えて、現場にどう働きかけたかということです。
重要なのは、経営陣が色々考えて、現場スタッフにも様々な学習機会を与えたとしても、実際に新しい施策や改善による動きがなかったとすれば、結局は現状維持の経営でしかないということです。
もし、そうだとすれば、前期2017年に右肩上がりでなかった売上が、今期2018年にいきなり良くなる方が不自然なのです。
過去、何年かに渡り、営業に苦戦している会社の場合は、必ず営業活動において現場が共通して悩んでいる問題が存在しています。
そもそも、その問題は、営業現場のヤル気を上げれば解決するでしょうか?
もし、数年前から直面し続けているならば、逆説的に、叱咤激励を繰り返している会社ほど、その問題の一部はとっくに解決する方向に向かうか、既に解決している営業マンが一部に存在しているはずです。
そうなっていないとすれは、その問題は、営業部門や営業マンのヤル気を上げることでは、解決しない種類の問題ととらえる方が正解なのです。
では、どうすればいいのか?
営業部門や営業マンの問題ではなく、会社全体の問題としてとらえることにより、会社の全部門が一致団結して、営業活動そのものを前提から見直して、スムーズにさせることが重要と考えます。
いままでよりも、営業活動がスムーズになるとすれば、営業現場のヤル気に関係なく、業績アップにつながっていくからです。
お客様を維持し、増やすことは、会社経営における最重要事項です。
その解決を、「営業マンのヤル気」や「営業部門だけのがんばり」に一任する必要はないというのが、私の見解であり、全員営業の根底の一つなのです。
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