今週の全員営業(R)のポイント 第4話:良い営業組織であるかが垣間見える瞬間!」
日本企業の約70%は3月末決算と言われています。そのため、先週末で
企業の1年間の業績結果がでている率が圧倒的に高いといえます。
私も20代はずっと営業マンでしたのでわかりますが、通常月と違い、特に
年度末は、経営者や営業課長の気合の入り方が違います。
そして、どの会社でも期末ぎりぎりまで営業をがんばった後に必ず行われること
があります・・・それが、期末数字の結果を振り返る営業会議です。
その営業会議で必ず発生し、営業組織の本質的な次元の高さが出るのが、
テーマに書かれている内容です。
別の表現ならば「営業組織を流れる意思決定に影響を与える暗黙の空気感」とも
「目標未達成や問題発生時における営業組織ごとの結論パターン」ともいえます。
これのやっかいなところは、営業の能力は、意識しないと継承しませんが、
営業組織を流れる空気感は、ほっといても伝染していくことです。
そして、営業組織を構成する中間層が流れを読んで、自分たちに都合のよい方に
同調するため、どちらが良い意思決定かということ以前に、暗黙の空気感に沿う
ような話が多数派となっていきます。
前者の原因を探す営業組織は、課題が発生すれば、を自責かつ組織全体のことと
して捉えるため、ミスやトラブルから今後につながる学びや気付きを得ます。
時間の経過とともに成長することで、徐々に同じミスやトラブルが減っていきます。
一方、後者の犯人を捜す営業組織は、物事を他責でとらえるため、ミスやトラブル
は一部の人がしでかした現象と捉えます。また、常に状況対応に収支し、狭い範囲
の応急処置でお茶を濁す傾向があるので、定期的に同じようなミスとトラブルに
悩まされ続けることになります。
ただ、一つだけやっかいなことがあります!。それは、犯人探しをする営業組織でも
意外と短期間では業績があがってしまう場合があるということです。
恐怖感で組織を縛ることになるので、常にピリピリした緊張感があり、経営者や上司が
見ている前では、営業マンは必死に仕事します。また、月末数字がいかないとき等に、
お客様から少しくらいなら強引にでも契約をとってきます。結論からいえば、本来
あるべき将来の売上を失くす代わりに、減少化しますが現在の売上があがるのです。
しかし、そのようなことは長続きしません。なにより営業マンが精神的に疲弊します。
働く職場として、どちらの営業組織がいいかは言うまでもありません。
営業会議の目的が、業績をあげる促進であるならば、第一段階としては、該当する
個人が反省し、次にどのような行動をとるかが周囲に明確になっていればいいのです。
本来の目的からすれば却って悪影響を与えかねない必要以上の吊るし上げや、限度を
越した過剰なプレッシャーをかける必要はないというのが私の考えです。
もし、営業マンが自ら自発的に動かないとか、いくら提案しろといっても意見一つ
出てこないという経営者や営業組織があったならば、その会社の4月の営業会議は、
どちらになっているかを確認してみると、興味深い結果が得られることでしょう。
しかし、そうは言うが、厳しくしなければ数字はあがらないだろう! という言葉が
聞こえてきそうです。次回は、そのことについてお話したいと思います。