今週の全員営業Rのポイント! 第22話:部下への業績マネジメント
最近行く先々で話に出るのが「倍返しだ!の半沢直樹」です。
このドラマの舞台となっているバブル期の都市銀行を、実際に
肌で体験した者としても、非常に興味深い内容です。
本日は、ドラマの内容もからめて、部下業績のマネジメントに
おける機微について、お話したいと思います。
営業のみで考えれば、業績が上がれば、すべてがOKです。
しかし一方で、営業組織においては、業績以外のことを
考慮する必要が出てきます。 例えば、働く社員の感情や
組織風土といったことです。
経営上の観点で長期的に見れば、時には業績があがること
以上に重要な事柄となってきます。
部下への業績マネジメントにおいて、問題が起きる企業は、
評価や処遇などのシステム自体にも、もちろん問題はあります。
しかし、15年以上に渡り、数多くの中小オーナー企業で
業績向上を達成し続けてきた体験から言えば、常日頃の
経営者・上司(以下、経営者)と部下との関わりにこそ、
問題の根っこがある場合が多いことを実感します。
経営者と営業マンとで、営業業績をあげる上で最大の違いは、
自分で業績をあげるか、それとも他者を活用してあげるかです。
他者を活用して業績をあげる経営者が事前にできることは、
計画を立て、部下に仕事を割り振り、基本のやり方を教えた後は、
信じて任すこととなります。
一流のできる経営者は、半沢直樹のような能力とプロ意識が
高い社員には自由度を高くし、アクが強い個性を上手に活かす
組織と環境を整えます。しかし、一方で決して組織を逸脱しない
範囲で留めるために、やっていることの確認はおこたりません。
そして、能力は並だが真面目な社員は、計画のズレやトラブル
が起こるのが当り前と考え、発生しても大事にいたらぬように
予防線を張ったり、計画に余裕を見たり、内容次第では自らも
矢面に立つことで対処したりします。
そうすることで、営業部門のエースは思う存分能力を発揮する
も組織のタガは外れず、平均並の社員は、問題や業績のズレが
でても短期間で帳尻を挽回することを可能にしていきます。
一方、部下への業績マネジメントで問題が頻発する会社は、
例え業績は良くても、仕事ができる社員や人柄がよい社員から
辞めていく傾向があります。
そのような会社の場合は、経営者が興味あるのは数字や周囲
からの自分の評判という傾向が顕著です。そのため、部下の行動
や心の動きはさほど興味がなく、日頃からほたっらかしになりがちです。
それが助長され、最悪のケースになると、新聞やニュースに
出ている会社のように、大事件やクレームが発生しても、現場任せ
の対応で、いざとなれば社員に責任をかぶせて、自らには火の粉が
掛からないでいることを優先してしまいます。
一流の経営者(上司)か、そうでないか、はたまた最悪かは、
業績の良し悪し以上に、部下との関わり方にこそあるというのが、
ドラマを見ていて、現実と共通することを改めて実感した次第です。