全員営業のポイント 第49話 『消費税3%UPの本質』
消費税UPは、一見すると大きな出来事であり
経営にとってマイナス要因でしかありません。
しかし、本当に、そうでしょうか?
考えてもみてください。
実際の営業現場では、今までも消費税UPに関係なく、
お客様から、価格交渉され続けているのだということを?!
そう・・・
確かに日本全体が変わることによる影響はあるにせよ、
B to Bであれば、「商品や企画のプレゼンの度」に、
B to Cであれば、「毎週配布する折込チラシ毎」に、
競合会社や近隣のお店との間で価格競争をやってきて
いるのです。
3%税金があがるから、それをなんとかカバーしようと
いうのだと、3%上がるための方法しか考えなくなります。
そうすると、どうしても、自社の価格交渉力が弱くなります。
消費税分をお客様に負担してもらおうという意識になるからです。
ここで、一つ営業戦略上のヒントをお伝えするとすれば、
お客様の中には、決して値段だけで取引先を選ばない人がいます。
一方で、値段だけで動くお客様も必ず存在しています。
その違いはともかくとして、値段だけで動くお客様に会社
としてどう対処するか、将来的にどう付き合うかの見極めは、
こんな機会でもないと踏ん切りがつかないものです。
もう一つ、今度は経営上のヒントをお伝えしましょう。
創業が古く、取引先が安定している会社であればあるほど、
新たな事業の柱となる新商品開発や、営業の根本的な強化
に取組むには、今回のようなきっかけが必要ということです。
もちろん、常日頃、会社を強くしていくことは、どの経営者も
意識されていることでしょう。しかし、私が今回お伝えしたいのは、
自ら矢面に立ってまで本気で取組めているかどうかです。
市場や業績が変わらなければ、どうしたって、頭の片隅に
次のような声が聞こえて、経営や営業の革新に取組まない
のが人情というものです。
「そうはいっても、今はそれなりに利益も出ているから…」
「まぁ、今までも食ってこれているのだから、これからも…」
『治にいて、乱を忘れず』は言うは安く、行うは難しですが
会社を長く儲けさせ続けるには、少なくとも、営業の総責任者で
ある経営者にだけは、常にその気構えが必要となってきます。
消費税3%UPは確かに大きな変化です。
しかし、もしそのことで、経営や営業現場が激変せざる
をえない状況に陥っているとするならば・・・
批判を恐れず言えば、大抵の場合、経営や営業を変革
するのを先延ばしにしてきたり、営業活動は営業部門に
丸投げで任せきりだったり、取引先の値下げ交渉を
会社全体のこととして真剣に対応してこなかった等の、
今までのツケが、消費税UPをきっかけに表面化したのが、
根本的な問題の本質ではないでしょうか?
なぜなら、会社が、そして営業現場が、普段から利益とは
何かの本質を理解できていないことにより、お客様に
言われるがまま値下げをしているとすれば、消費税3%UP
など比較にならないほど業績に影響を与えているからです。
進化論で有名なダーウィンの言葉を拝借して、
本日のコラムを締めたいと思います。
『 最も、値段が安い会社が生き残るのではない。
最も、 ・・・・・・ する(できる)会社が生き残るのである。 』
さて、あなたは、この「・・・」にどんな言葉を当てはめますか?
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