全員営業のポイント 第64話『 経営者が望む営業現場の作り方 』
どうすれば、経営者の望む通りに
営業現場が動く会社になるのか・・・
以前、本コラムに書いた新しい施策の
定着と表裏一体となる悩ましい課題です。
第62話『新しい施策が変えるもの』
そもそも、経営者の想いと営業現場の
動きには関連性はあっても、経営を
構成する要素としては全く別物です。
そのことを把握していないと、経営者の
想いが営業マンに伝わりさえすれば
行動の変化が起こると考えがちです。
しかし、経営者の想いは、経営を構成
する要素では全体的な戦略につらなり、
営業現場の行動は現場の戦術に属します。
そのため、経営者の想いを理解しただけ
では、行動には直結しません。それは
必ずしも、営業現場にヤル気がないとか
能力が低いからとは限らないのです…。
最も多い原因は、営業マンが経営者の
想いに沿って行動したくとも、会社と
いう組織と営業の現場とをつなげる
「はしご」とも言うべきものが抜け落
ちているからです。
では、その「はしご」とは何なのか?
演劇をイメージするとわかりやすいでしょう。
先ずテーマがあり、次に脚本ができます。
それが出演者の手に届いた後、充分に
稽古を繰り返し、それと共に演出家が
照明や音声や小道具などを舞台全体に
配慮して整えていきます。
それらの要素がすべて組み合わさって
脚本家がイメージした通りの演技と
空間が実現し、人々を感動させる
良い演劇が完成するのです。
もし、ぶっつけ本番で幕が開いたなら
どうなるでしょうか?
出演者の中に、基本的なセリフすら
覚えていない人がいたりします。
また、各自の解釈で演技をするので、
視線も声の調子も間もバラバラです。
舞台では、照明が主役にあたらず、
時代劇なのに侍が一人も刀を持って
いません…とても人に見せられる
レベルには到達しないでしょう。
しかし、経営者が会社で新しい方針
や新たな施策を導入する際には、
これと同じことが起こっています。
脚本がまだ完成していないのに、口頭
で1回だけ伝え、通し稽古もせずに
「ほらやってみろ!」と言っていたり・・・
あるいは、演出の表現が毎日微妙に
違っていて現場はとまどっているのに
「あとはお前達次第だから!」と突き
放してみたり・・・
まるで、舞台にあげるだけあげておいて
降りれないよう“はしご”を外してしまって
いるようなものです。
出演者に、言っただけ、やらせるだけ
で自分の想うように動かない場合、
初期段階では、出演者の力量よりも、
プロデューサーや演出家の働きの方
が重要なことが多いものです。
さて、あなたの会社は、はしごをかけ
ていますか?。それとも、外している
方ですか?
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