全員営業のポイント 第66話『 営業組織の基本中の奇策 』

140723営業組織の基本中の奇策

梅雨があけ、夏の日差しが照るころに
なると、いつも想い出す記憶があります。

私が営業でがんばっていた頃の話です。

最高温度のニュースがテレビをにぎわす
ある日の夕方遅く、外回りから会社に
帰ったと同時に、席につく間もなく、
私を見つけた部長が叫びました。

『今日の営業は、確か大きな案件だな。
 どうなったか報告しろ!』

1年後、別の人が部長になっていました。

同じように、大きな商談があった日に
外から戻ると、私を見た部長が言いました。

『お疲れ様。今日は大事な商談だったな。
報告してくれ。但し、汗がひいてからでいいぞ

どちらの部長が、仕事にヤル気が出て、
会社に行くのが楽しかったかは言うまで
もありません。

理由は簡単です。一方は数字にしか興味が
なく、もう一方は数字だけでなく一緒に
働く仲間にも意識が向いていたからです。

 

論点は変わりますが、熱が出ると、人は
体力・知力とも通常より格段に下がります。

気温が37~38℃になるということは、
微熱と同じストレスが常にかかっている
状態ともいえます。

そんな時、営業に必要以上の追込みを
すれば、本当に体調を崩しかねません。

少数精鋭であればあるほど、時期に
よっては、一人倒れるだけでも現場の
動きが混乱します。

例えば、あなたの組織でお盆の前の週に
急に誰か1人が熱を出して引継ぎもなく
そのまま3~4日倒れてしまったら?

 

かといって、部下への手綱を緩めろという
のではありません。なぜなら、経営者や
上司がほっとくと、ただでさえ平均以下の
営業は真夏の行動量が落ちるからです。

部門全体の調子を確認しつつ…
営業マンの体調にも留意しつつ…

緩まぬように、崩さぬように…という
さじ加減こそ、力量が問われるところです。
 

体調が万全なことや、頭がスッキリして
いて仕事に集中できる状態であることは、
社会人の常識以前のことかもしれません。

しかし、あまりに当り前すぎて、どの会社
を見渡しても、個人任せであり会社組織
としては無頓着になっています。

それゆえ、ほんの少し留意するだけで
業績と組織を活性化することのできる
“基本中の奇策”
と言えるのです。

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