全員営業のポイント 第68話『売上UPが起こす問題』
業績に悩んでいる経営者はもちろん
のこと、順調に業績を伸ばしている
経営者も、今以上の売上アップを
考えています。
経営者として当然のことですし、
先行投資や経営強化を考えれば
売上が一定規模以上に増えないと、
長い目でみれば衰退していきます。
しかし、会社には様々な業種があり、
その業種の特性によっては、売上が
増えることで、営業上の違う問題が
発生してくることがあります。
それも結構、重要な問題が・・・。
もちろん、優先順位は、売上アップ
の方が、圧倒的に重要です。
なぜなら、それは会社が存続していく
ために必要だからです。
しかし、売上が増えることによって
生じる問題への対応は、会社の信用
を維持するために必要となるのです。
ある事例をお話します。
コンサルをしていて、1年で顧問先の
お客様の数が2倍以上になった事が
あります。
単に売上が増えるだけなら、それで
万々歳だったのですが、労働集約型の
事業であったため、仕事をとった後に
現場の作業が発生していきました。
窓口や店舗で定型化された受付をする
のと違い、より複雑な専門性と経験が
要求されるため、急造で人数を増やし
ても却って手間がふえる現場でした。
しかし、価格を上げたり、商品数を
増やすのでなく、取引先が増えること
で売上を増やしたので、時間の経過と
ともに、ますます現場は増え、人手が
必要な状態に陥りました。
支障ない範囲で時期を調整し尽くし、
内容の一部変更なども含めて対応して
大きな現場トラブルや、受けた仕事を
こちらから断るといった最悪の事態は
なんとか避けられましたが・・・
それでも、調整しきれない仕事や小さ
な齟齬は発生し、会社として仕事の
品質を維持するために、せっかく契約
をとったのに泣く泣く、他の会社に
外部発注せざるを得ないものが幾つも
出てきました。
それだけでなく、頑張って久しぶりに
お客様が増え、売上もあがったのに、
現場はやりがいや達成感よりも、
疲労感の方が漂い出したのです。
それまで、顧問先の売上が増えること
で満足していた私にとって、売上が
増えることで、次元の違う問題が発生
するというのは衝撃でした。
それ以降、顧問先には、売上を上げる
だけでなく、営業の取った仕事が無事
終了し、年々、会社の信用が積み上が
っていくための方策も同時に、意識し
ていくようになったのです。
もちろん、売上が20%~30%UP
する範囲なら、工夫により現場対応力
も増し、経営の相乗効果が得られます。
しかし、一気に50%UPや2倍以上
になると、業種の特性によっては、
現場のがんばりだけでは、どうしようも
ない事や大事故さえ発生しかねないのです。
さて、経営者として、売上アップの方策
だけでなく、それによって生じるであろ
う問題への配慮や備えはいかがですか?
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