全員営業のポイント 第70話『 営業改革の現場と空論 』

140819営業改革の真実と空論

経営戦略に沿った研修やセミナーは
確かに一定の効果があります。

しかし、学習曲線(≒教育効果の持続
時間)の研究によるまでもなく、現場
は、1~2ヶ月も経てば元のままの
営業部門の動きに戻ってしまいがちです。

こうなる理由の最たるものは、習慣や
環境の影響力が想像以上に強いため
ですが、最も影響力のある経営者が
どういう意識で改革を行っているかも
大きな影響を与えます。

そして、経営者の意識に焦点を当てれ
ば、以下のような要因が考えられます。

「新たな知識さえあれば、社員は変わっていく」
「会社を変えるには、社員が変わる必要がある」
「変化には社員の自発的な行動こそが重要である」

 

同じ仕事をするのに、自発的か強制的
かは、もちろん成果の違いをもたらします。

しかし、本日のテーマは、営業現場を
改革し、その改革が継続するために、
どう考えるべきかということです。

経営者は、社員に比べ圧倒的に会社の
業績≒自分の人生に直結するため、
これはいいと思った仕事上の知識や
ノウハウを知った後、すぐに実行して
続ける事に日常から慣れています。

特に、業績が堅調な会社の経営者で
あればあるほど、その傾向は強いものです。

しかし、社員の多くは、普段から継続
して新たな仕事の知識を自ら収集し、
それを行動で試すという習慣が身に
ついていないめ、知識が増えるだけ
では、即座に行動にはつながりません。

そこに大きな落とし穴があります。

 

また、経営者と管理職や営業マンの間
には、決定的な違いが一つあります。

それは、失敗すれば会社で叱られると
いうことです。ゆえに、新しいことを
やる際には、上手くいくことよりも、
やって失敗した時のリスクの方を先に
考えがちです。

組織も社員も未成熟な第1ステージに
おいては、経営者が単純明快な指示を
出し、それを半強制でもやらせる方が、
社員は動きやすく、かつ、いざという
時に半分は経営者のせいという心理面
の言い訳も立ち、行動を変える割合が
多くなるものです。

このことは、私がコンサル現場から
得た実感です。

中小企業において、社内で誰からも
命令される事がなく、叱られることが
一切ない経営者が、世間で言われる
机上の空論や自らの感覚だけに頼り
経営を行うと改革に苦心するのは、
こんな些細な事が原因だったりする
ものなのです。

 

しかし、半強制という言葉にも意味が
あります。

営業現場が、純粋に、会社の業務命令
だからイヤイヤ仕方ないと受け取るか
あるいは、
そういう事なら一つやってみてもいい
かと感じるかは、施策の是非と検討時
のやり取りによって、随分と分かれて
くるのも事実だからです。

そして、経営者と営業現場との普段
からの風通しの良さや信頼感が効果を
発揮するのは、その検討時のやり取り
や、施策を経営者自らが発表した際に、
単なる会社からの強制か、多少は納得
ずくの強制で動くかの違いかを分ける
要因となります。

経営者が、会社や営業現場を変革を
動かし、それを継続させるには、
まず意識すべきは上記の様な事であり、
それを継続させるには、一定期間の
半強制の意識付け+仮にイヤイヤでも
それ位ならやってもいいと思えるような
シンプルな習慣化の仕組みがセット
動く必要があるのです。
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