全員営業のポイント 第74話『 能力が伸びて売上が上がるのではない 』

140916能力が伸びて売上が上がるのではない

先日、とある方から相談を受けました。
(本件、ご了承の上にて掲載)

『営業部門には、特に意識して研修や
教育をしている。それなりに効果は
あるが、思う程の成果はでていない…』

それなりに成果が出ていれば、十分
ですし、内容も相当練られたものかと
推測されます。

ただ、研修や教育は、重要ですが
過剰過ぎる期待はされませんように
と、お伝えしました。

誤解をまねきかねないので、もう少し
詳しく説明します。

 

第1に、経営者が求める期待値は、
常に高い水準であるため、社員が
出す結果との間には、必ずといって
良いほど何らかのギャップが生じます。

第2に、研修や教育の最大の効果は、
行動変化のキッカケ作りです。ゆえに
経営戦略に沿った内容で、かつ後の
フォローがないと効果は持続しません。

第3、これが本件の相談では大きいと
考えられますが、知識がそのまま行動
に結びつくとは限らない。

 

研修や教育で身につくのは、知識とし
ての能力です。

その場で寝ていない限り、受講前より
確実に知識上の能力はあがっています。

しかし、能力には2つの種類があり、
2つの間には大きな次元の開きがあります。

一つは潜在能力、もう一つは発揮能力です。

 

研修や教育の場では、潜在能力は上げる
ことができますが、実際に身についたの
か、その内容が業績数字に効果的かは、
行動と検証があって初めて発揮能力と
して認識することができます。

ましてや、研修や教育をして、知識が
上がれば、すぐ行動に移るかというと
それは早計です。

例えば・・・

・業界動向を知るため、販売現場や
展示会を視察するのがいいのは判っ
ているが、いつも来月でいいかと
なる...あるいは思うだけで終わる

・医者からタバコを止めたほうがいい
と健康診断で言われながら、その日
ですら吸う本数は変わらない...

あいだみつを氏も言っています。
「だって、人間だもの」

 

潜在能力を発揮能力とするには、
社員を信用しても、社員の行動まで
信用してはいけないのです。

・学んだあとを社員に任せず、会社と
してスグに行動するよう仕向ける

・何度も繰り返しさせ、できたかどうか
を検証するよう部門全体で取り組む

・実行しやすくなるような仕組みや
ルールを作り継続できるようにする

 

自動車の運転と同様です。教習所で
学んだ縦列駐車も、好きだろうが嫌い
だろうが、路上に出ればやるしかあり
ません。真剣勝負を繰り返すうちに、
やがて出来るようになります。

そして現場で、どうやっても出来ない
とか、やりたくないとなれば、両脇の
スペースが開いている場所を探して
駐車する工夫をしたっていいのです。

 

知識教育は確かに重要です。元々が
ゼロであれば、足そうが掛けようが
ゼロのままです。

しかし、知識教育をして潜在能力が
伸びるからといって、売上までつなが
るのでは決してありません。

売上を上げていく過程で、売上を上げ
るための発揮能力が身についた結果と
して売上が上がっていくものなのです。

そう、営業としての自信とともに...
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全員営業のポイント 第74話『 能力が伸びて売上が上がるのではない 』-1

  1. いつもありがとうございます。
    特に本日のご指導は腑に落ちました。
    武蔵野の小山さんも同じことをおっしゃっていますが
    本日の辻さんの学びは特に納得できました。
    納得しただけではいけないので実践にいかすよう、
    仕組みを作り習慣化します。
    感謝!

コメントは閉じられています。