全員営業のポイント 第198話 儲かる会社の営業強化と現場改善
「辻先生、全員営業の検討会で決めた事に、いざ現場で取り掛かると、こんな課題が出てきたのですが…」
全員営業のプロジェクトを進めている会社の検討会で出てきた質問です。
『それは、良い傾向ですね』と私が答えると、
経営者も含めて、ミーティングメンバーは、「?????」といった表情でしたが、理由をお伝えするとなるほど、と納得されました。
営業強化の成功率を高め、施策を推進するためには事前の検討は不可欠です。
しかし、いくら検討や議論を重ねたところで、事前に、全ての物事や対応を読み切ることは不可能です。
それは、【登山】に似ています。
世界有数の登山家が、十分な資金と準備期間を用意してとりかかっても、気候変化や機材トラブルや体調不良などは発生ベースで対応するしかありません。
また、営業強化の施策の導入は、難易度とリスクは別にして、視点を変えれば、エベレストへの登山以上の不確定要素が存在しています。
なぜなら、エベレストの登山は、既に先人が何度も行っています。
ゆえに、発生するトラブルやリスクをある程度、予測し対応することができます。
しかし、会社で今までやったことがない新しい取組みをやろうとすれば、社内に経験者は誰一人いないのです。
つまり、いくら議論や話し合いを重ねても、発生するトラブルやリスクそのものがわからない箇所が必ず存在しているのです。
実際、この会社で出てきた課題も、ちょっとした情報のやりとりの不具合でした。
また、これくらいなら社内でやれるだろうと思ったことが、想像以上に難しく、その役割分担とともに、通常業務に支障が出ないようにするには、導入スケジュールそのものを少し調整する必要があるということも判りました。
これらは、実行して初めて見えてきたことです。そして、コンサルタントの私が教えたことでなく、当事者の自分たちが発見したことです。
ゆえに、それらを一つ一つ乗り越えていくことが、新しい施策に現場の息吹を吹きこむことであり、成功体験と自信を積み重ねることにつながっていきます。
実際に準備と検討が、どの程度の段階で、現場に下すかは施策の内容や会社の経営資源や状況によって違いますが、こと営業の施策では、一般的に3ヶ月経っても社内で議論だけしているようでは、太刀打ちできない時代が、すぐそこまで来ていると考えています。
なぜなら、インターネットで世界とつながり、そのすぐ先に潜在顧客がいるのが当たり前の今の時代、望む望まないに関わらず、潜在的な競争相手は、世界そのものだからです。
関税と輸送費という参入障壁により、現状はまだ世界との壁がある日本の中小企業ですが、業種や商品によっては、ビジネスの意思決定と動きを世界基準に合わすことを迫られる時機は、それほど遠くないかもしれないのです。
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