全員営業のポイント 第206話 『儲かる中小企業の人材採用』
「採用した人が定着しない(育たない)んですが…」という社長の悩みは、私がコンサルタント活動し始めた1999年から続くご相談の一つです。
しかし、中には、「まだましだ!、うちの会社は、採用しようにも応募すらない」という悩みを抱える社長もいらっしゃいます。
財務面から見れば、採用した人がすぐ辞めるよりも、応募すらない方が痛手は少ないのですが、精神的には、後者の方が社長のショックは大きいものです。
しかし、人口減少が続く今後は、人気業種ですら、「採用しても応募すらない」というのは、当り前のことになっていくでしょう。
営業強化する際、会社の立場でなく、お客様の立場でないと見えてこないことがあるのと同様に、採用~育成の強化も、相手の立場でないと判らないことが数多くあります。例えば、次のような話です。
あなたが応募者であれば…
1.家族も知る有名企業と無名な中小企業のどちらに入社したいでしょうか?
2.給料が多い会社と業界水準以下の会社のどちらがいいでしょうか?
3.入社後も配慮がある会社と、後は独りで勝手に稼げという会社のどちらがいいでしょうか?
さて、次は御社の話です。採用で競合する会社と比較した際、上記1~3で、どちらの会社に該当するでしょうか?
そうはいっても、無い袖は振れないため、現状でいかんともしがたいことがあるのは充分承知しています。
1.すぐには大企業になれません。また、ビジネスモデル次第では、会社規模を大きくすると、経営リスクが生じる場合も存在します。
2.給料は簡単に上げれません。仮に採用条件だけを見直すと既存社員との賃金バランスがくずれて、必ず別の問題が生じます。
3.要は、中小企業が短期間で工夫できるのは、「入社後の配慮がある会社」+「採用活動そのものの工夫」しかないのです。
業界経験が長い経営者自身が、自分の会社の採用条件を客観的に確認して、自分がその年齢なら応募しようと思う会社でなければ、独りで勝手に稼ぐ「人財」ばかり入社するなど「宝くじ」に当り続ける確率と思い策を練るべきです。
さて、ここで質問です。
採用募集をかける前に、経営者自身が、同地域で同業種がどんな条件で募集しているかという基本事項すら、確認したことがあるでしょうか?
広告代理店や採用会社の言いなりや、自社の都合で募集していていませんか?
採用条件が適当なまま募集をかけると、初めから100万円単位の広告費を「ドブ」に捨てる可能性があります。
IT業界で働いていた人が、建設業や流通業には応募しませんし、販売職だった人が、経理募集に応募してくることはありません。
また、東京の会社ならともかく、大阪や愛知の会社ですら片道2時間かかる応募は、まずありません。
会社から通勤できる範囲の在住者で、関連業界の経験者が、幾つかの同業の会社を比較して、条件面を消去法で吟味した結果、応募してくるのです。
ゆえに、自分も転職経験があり、応募者の立場に立てる社長ほど、欠員時に、一人だと辞めるかもと考え2人募集する位なら、若干余裕のある時に、まずは一人分の採用費+人件費を投資して、採用条件や採用後の育成環境を整えます。
そして、実際に欠員が出た時、一人採用します。そうすることで、短期と長期の採用~育成強化の仕組み作りを整えるのです。
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