全員営業のポイント 第208話 長儲けする会社の営業リスク管理

営業強化や経営戦略において、目前にある問題やリスクは、どんな会社・どんな担当者も処理しようとします。

しかし、営業上のリスクは、目前にある短期的なものばかりではありません。

営業リスクは3種類存在します。

 1.短期的リスク
  2.長期的リスク
  3.突発的リスク

このうち、【1】と【2、3】では、決定的に違う要因があります。

それは、【1】短期的リスクは、いま目の前にあり、関係者が容易に共有できるので、解決は別にして、どの会社も何らかの対応がとられる点です。

一番わかりやすい例が、単月で初めて赤字になったので、営業をてこいれするというものです。

では、【2、3】は何が決定的に違うのかというと、想像力が欠如している場合、悪影響が出るまで放置される点です。最悪の場合、物事が発生した際、思考停止に陥る場合さえあります。

 

【2】でいえば、営業部長が55才だったら、5年後には現場の第一線を離れるのがわかっているのに、定年1年前まで、何も手を打とうとしないとか…

【3】でいえば、今の日本では、いつどこに大地震が発生してもおかしくないのに、のど元すぎればという言葉のごとく、すでに去年と同じ来年が必ずやってくると思っているといった類です。

(※ちなみに、弊社および私自身は、東京で震災発生の際、自宅・外出・出張時にわけて検討し、業務上および生活面において対応を考えています)

しかし、最悪を考慮しつつ経営するのが良い、というのは言葉では簡単ですが、やろうとすると本当に難しいものです。

実際、日本経済が直面している最悪の突発的リスクについて考えている中小企業は1%も存在していないでしょう?

 

現在の日本経済が直面している最悪の突発的リスクは何かというと、最も広範囲で影響がでるものは朝鮮半島での戦争勃発と考えています。

「いや、それは考えすぎでしょう」と言われるかもしれませんが、クレームを極度に恐れる日本社会で、少し前にアラート(警報)の周知徹底を政府が実施する等は、過去50年間においても記憶にない異常事態です。

しかし、年齢的に現在80才未満の人は、私も含めて、朝鮮戦争(1950~53)すら実体験がないので、戦争はどんな時に、どう発生して、会社に、どんな影響が起きるかは、想像するしかありません。

 

本来の会社経営では、競合会社とお客様の動向を中心に自社が属する業界市場のことを考慮していればよいのですが、最近5~10年の状況から判断するに、少なくとも経営者だけは、それに加えて、天災や国防の有事が発生した場合も、想像だけはしておく方がよいと考えています。

今回のコラム内容は、読者によっては、営業強化や通常のビジネスと、どう関係するんだと思われるかもしれませんので、最後に一つ、具体的な営業のリスク管理に該当する質問を投げかけたいと思います。

『営業時間外に、業務上どうしても連絡しないといけない時、御社では、すべての社員に一度に連絡できる手段が整ってますか?』

もし、これができていないか、想像すらしたことないならば、あなたの会社では、震度7の大地震が発生した時にも、普段通り社員に出勤させるんでしょうか?

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