全員営業のポイント 100話『 儲ける経営者のコンサルタント活用法』
世間で誤解されがちなことで、優秀な経営者と
優秀な社員が出会えば上手く会社が回るという
のがあります。
それと同じく、優秀な経営者と優秀なコンサル
タントが出会えば、上手くいくほど、会社経営
は単純ではありません。
今回は、コラム100号記念ということもあり、
少し趣向を変えた内容にしたいと思います。
文豪でありすぎるがゆえ、東大教授であることを
忘れされがちな夏目漱石はこんな事を言いました、
「教えを受ける人だけが自分を開放する義務を
有っていると思うのは間違っています。教える
人も己れを貴方の前に打ち明けるのです。」
今号は、私自身が職業はコンサルタントですが、
経営者の一人でもある立場から、コンサルタント
を活用して儲ける経営者と、残念ながらそうはなら
ない経営者の違いについてお話します。
私がコンサルタントとして第一歩を踏み出したのは、
今から18年以上前、当時はまだ名称と活動内容が
社会的認知を得る前といっても過言ではなかったと
いえます。
その証拠に、コンサルティング会社に転職しようと
考えた際、参考となる書籍を大手本屋で軒並み探し
ましたが、まったくといいほどありませんでした。
その後、コンサル会社に就職し、いざコンサルタント
として活動しようとすると、会社の営業部門からは
面と向かって、実績ない人に仕事は回せないと言われ
ました。
「確かに、それは一理ある」と考えて、自分で営業部門
が捨てた営業リストをもらって、営業電話を1日100件
以上しつつ、自ら顧問先を見つけたのが出発点でした。
そして、実際に顧問先を幾つも獲得し、実施する中で
気付いたことがあります。それは、コンサルタントを
活用して儲ける会社と、そうならない会社との違いです。
もちろん、経営者とコンサルタントの双方が優秀か
どうかは重要です。しかし、それ以上に重要な要因
があります。
それは、経営者がコンサルタントそのものをどう
取り扱うかということに帰結します。
駆け出しだった頃、経営者からよく言われた言葉
があります。
『コンサルタントなんだから、なんか上手くいく
秘密や魔法みたいなものはないのか?』
往々にして、そういう経営者は、業績向上をほぼ
丸投げしてきました。しかし、独立して自分も経営者
の立場になって初めて気付かされました。
そのやり方は、経営者ではなく、資本家の手法
なのだということに・・・
一方で、コンサルタントを最大限に有効活用した
ある経営者の一言はいまだに忘れられません。
コンサルティングの提案書を説明し、いざ契約
という時に、その社長はこういいました。
『あなたの言うように必要であれば、私も矢面に
立ちましょう。値引きも一切しません。ただし、
求める成果を上げるように持っていって下さい』
この言葉を聴いたときは、正直全身が震えました。
よし、この経営者のためにやってやろうという想い
が思わずこみ上げてきたのを覚えています
金を払って依頼しているんだからという立場で
相対して、先ずは、お手並み拝見という経営者と
協働で経営課題に立ち向かう経営者とでは、
いずれが生産的な結果になる確率が高まるかは
詳しく説明するまでもないでしょう。
さて、あなたはコンサルタントを取り扱う時に
丸投げですか、それとも自らの知恵袋として
活用していますか?
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