全員営業のポイント 124話
経営には2種類ある ~その2~
日本ラグビーの健闘が連日話題になっています。
いつのまにか、オリンピックのロゴの話題は、
ラグビーのキックのように、どこかに跳んで
いったしまったかのようです(笑)。
個人的には、他社の商品を盗む経営の施策を
とると、商売上かつ社会的に、どんなことになるか
の方がよほど興味あるので、今後も引続き注視
したいと考えています。
多少ムリヤリ気味ですが、ラグビーであれ、デザ
インであれ、歴史ある物事については、既に先人
の残したものがあるので、戦術や基本形を一から
考え出すのは、あまりにムダというものです。
また、経営も営業も、施策についても、パクレル
なら、パクレルだけ、パクッタ方がいいという
コンサルタントも確かにいます。
しかし、ここで重要なことが2つあります。
ひとつは、他社を真似ている限りは、しょせん
二番煎じで、まず永遠に1番手にはなれないと
いうことを理解しているかどうかです。
ここでいう一番手は、稼ぎ頭という意味とは
限りません。あくまで、市場・業界やお客様の
認識においての話です。
商品・サービスを買うかどうかの決定権は、
常にお客様にあります。
お客様の立場からすれば、もし一番手や
本家本元や師匠筋があって、しかも取引条件が
同じなら、そちらを選びたいに決まっています。
いまの情報化社会では、ほんの数分ネットで
検索すれば、会社であれ個人であれ、創始者か
モノマネかがわかります。
モノマネやパクリの経営施策をとるのは、
代理店という事業が分かりやすいのですが、
立ち上がりが容易な反面、業暦を重ねても、
自分の立場は低いままです。
もし仮に、それを黙ってやるとすれば、時には
某デザイン会社のように経営リスクが増すだけと
いうのを忘れてしまっています。
かといって、最初から何もないところに市場を
切り開くのは大変なのも分かります。ゆえに、
一時期は代理店や、系列や弟子の立場でいる
時期だって、必要になるかもしれません。
そこまでいかずとも、すべての経営者が、過去
誰かに学んだり、マネをしながら、事業を大きく
していきました。
あの孫正義だって、当初はランチェスター戦略
を参考にしたと上場直後の講演会では語ってい
ますし、家具のニトリを始め、チェーン展開で
大きくなった会社の大半は、渥美氏(寅さん
じゃない)の教えを受けるか、影響を受けています。
こと経営施策において、他社や他人のモノマネ
やパクルこと自体は、その意味さえ理解して
いれば、決して、悪いことばかりではないのです。
ここで2つめの重要なことがでてきます。
それは、原点を敬うことができるかどうかです。
二番煎じ・他社をパクルのが得意技の会社や
個人は、製造業でいう「現場、現物、現実」の
三現主義がないのが最大の欠陥です。
いわば、自分で実績をあげ、お客様からも市場
からも一番手・本家本元と認められるまでは、
○○のおかげです・・・という気遣いや感謝があれば、
ゴルフのトーナメントプロにはなれずとも、レッスンプロ
という立ち位置ならば、お客様から一目おかれた事業
を行うことができます。
しかし、実際にゴルフのコースで試合したことが
なかったり、トーナメントで優勝していないのに、
さも実績や結果があるかのように言って経営する
ならば、それはモノマネでなく、詐欺の類です。
一方、雌伏の時期を重ね「現場、現物、現実」を
積み上げていくことで、『守・破・離』という道を
越えれば、立派なオリジナルです。
もし、そういう態度・言動がとれないのであれば、
会社も、経営者も、2つめの重要なことの結果、
社内においてある種の手本となります。
何の手本かというと、他人の手柄や知識を
黙って、平気でパクッテも良いという手本です。
原点を敬わないということは、部下の手柄を
平気でとるような上司が育つ社風作りをやって
いながら、経営者がそれに気付いていない証
でもあるのです。
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