全員営業のポイント 130話
営業に真剣な会社の特徴
先日友人の経営者と会った時、その経営者が言いました。
「昔に比べて、特に営業現場で感じるが、お客様や
売上を増やすことへの執着が年々薄くなっている」
私も、コンサルティング現場を見ていて同感します。
日本全体で考えれば、それだけ世の中が豊かになり、
食べるのに困る人が少なくなった証拠といえますし、
個人でいえば、生まれてから金に、心底困った人が少ない
ゆえ、自らの立場の維持への危機感の欠如でもあります。
しかし、過去、営業所開設や新規事業の立上げに
関わった管理職やベテラン社員は別です。
自分の手で、一からお客様を見つけ出し、開拓した
体験がある人は、お客様を1社・一人作るのがどれだけ
大変かを骨身に染むほど知っているからです。
ゆえに、実際に自分がお客様と直接話して出てきた
案件には、相手が経営者であっても、間違っている
と思えば、意見をしっかり発言します。
もちろん、経営者の立場ではないため、その判断が
一案件としては正しくとも、会社全体では誤っている
場合はあります。
しかし、真剣に営業に関わっているからこそ、前向き
な意見や提案が出てくるし、他部門や他者との軋轢や
葛藤が生じるのです。
(※自らの意見といっても、消極的なのもありますが、
内容が言い訳と現状維持に終始するので判ります)
それを処理するのは、より上位の立場の仕事であり、
単なる管理と、マネジメントの分岐点でもあります。
指示して、数字を確認して、尻をたたくだけでなく、
会社と営業現場に、良い意味で新たな波風を生じさせ
つつも、そのエネルギーを正しい方向に誘導してこそ、
新たな営業のやり方や、新しい市場が見えてきます。
仮に、年商100億円~200億円という会社で
あっても、一つ一つの案件の積み重ねによって、
その売上が成り立っています。
会社経営の効率化ばかり考えて、一人のお客様、
一つの案件に真剣に関わることを忘れた会社の
営業は、いつのまにか現場が流れ作業になります。
もし、あなたが経営者・特に社長の立場でしたら、
いかがでしょうか?
社長の自分の指示がなければ、新しい動きをしない。
指示が止まれば、途端に今までの状況に逆戻り、
いつまで、そんな営業で我慢するおつもりでしょうか?
確かに、会社を維持し、生産性の高い組織には、
良い人間関係は必要です。しかし、人間関係は手段です。
会社の本筋は、仲の良い友達を作りにくる所でなく、
あくまで仕事をするための場であるべきです。
経営者が考慮すべきは、反発・反論・反対などで
衝突することがない会社ではなく、時に、喧嘩上等も
良しの組織風土作りと運営をしつつも、人間関係は
くずれない会社であると考えています。
そうあってこそ、今はまだ小さいが将来大きくなる
取引先や、次世代の経営幹部が育つ芽が出てくるもの
なのです。
全員営業とは、何も、みんなで仲良く営業しましょう
という手法ではありません。真にお客様作りを考える
会社へと成長し、競合に打ち勝つために営業現場を
強くする変革を生み出すノウハウなのです。
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