全員営業のポイント 149話
儲かる会社の取組み方

160428儲かる会社の取組み方№149

今回コラムは、5月連休をはさむこともあり、経営豆知識
の視点もいれてお伝えします。

本国では、一番手でないどころか、それほど有名でもない
のに日本ではもてはやされているものが幾つか存在します。

経営戦略の分野でいえば、ドラッカーやランチェスターが
その典型的な代表です。

あの孫子でさえ、武経七書の筆頭ではありますが、中身
の質の高さはともかく、現地で拡まっている点において、
孫子以上のものは、他にも存在しています。

こんな言葉を聞いたことはないでしょうか?

「三十六計逃げるに如かず」

兵法三十六計という書籍から生まれた教訓です。
三十六ある計略のうち、第一計から三十五計を用いても
上手くいかないなら、最後の三十六番目の計略としては、
「逃げるのが良い」という所からきています。

 

さて、本題に入りましょう。4月に入り、新しい年間目標や
指針を出された会社も多いことでしょう。

その兵法三十六計が、まとめられたのは、今から1500~500年
の間ですが、その第二十三計に、会社が新しい施策を行う際、
いまだに通用するどころか最適な方策が存在しています。

それは、「遠交近攻」です。

秦の始皇帝の曾祖父である昭王が用いた国家戦略で、遠くの
国とは仲良くして、近くの国から攻めとっていく戦い方です。

そんなの当り前だろうと思うかもしれませんが、知った後は、
そう思えるものでも、今までは言語として意識できてなかったり、
普段から現場で活用できていなければ、知らないも同然です。

当時は、1つの国を単独で攻めても、相手の同盟国も攻めて
くるため、その備えに、こちらも近くの国と同盟を組んで戦わざる
をえませんでした。

ゆえに、例え戦に勝っても、同盟国への恩賞として得た土地の
一部割譲が必要でした。しかし、そうなると労力の割に、メリット
がなかったり、同盟国との関係が悪化すると敵側の連合軍として
攻められることさえあったのです。

一方、「遠交近攻」すれば、近隣諸国を牽制できるだけでなく、
戦で得た土地を割譲せずとも、金銭・宝物の恩賞で済むようになり、
戦の度に領土が広がって、後の天下統一へつながったという訳です。

会社の新しい施策においても同じです。

問合せがあったからとか、ここは見込客が多いという理由だけで、
いきなり遠くの地域や畑違いの業界を攻めるのでなく、まずは、
状況把握が容易な本業に関連する範囲や、移動の手間がかからない
近隣を中心に、営業活動を行って、成功事例を増やすことが重要です。

 

もし、これを、個人に当てはめれば、次の言葉になります。

「職住近接」です。

一人暮らしをしている若手や新入社員は、特に都会では、
自宅が遠方にあると、電車が遅れて遅刻も増えることでしょう。
また、都会でなくとも夜遅くまで仕事が続けば、これから自宅
に帰るのに1時間以上かかるのか…と気持ちが滅入ります。

実家なら、自分がする家事は少ないので、まだストレスは
少ないでしょうが、一人暮らしだと、そうはいきません。
また、会社や取引先の近くで生活することで、集まる情報の
質・量も変わりますし、一度自宅に戻って着替えてから、
注目の店や気になるイベントに出かける事も可能になります。

サイバーエージェントが、2駅圏内に住む社員の家賃を
補助する「2駅ルール」や、ランサーズが本社を渋谷に移転
したことなどは、その一例といえるでしょう。

 

また以前、あるコンサルティング先で、会社の一番近くに
住む新入社員と話した際、歩いて数分なので通勤も楽だし、
会社で遅くまで仕事しても、しっかり睡眠時間も確保できる
ので、毎日仕事に集中できているといってました。

それから10年後、彼は関連会社で社長になっていました。

人生観・価値観の部分なので、会社は、強制も指導もできません。
そんな事すれば、お先はともかく、別の意味で真っ黒な会社です。

しかし、会社の交通費・仕事への集中度、社員の健康管理…等を
考慮すれば、「職住近接」というのは、伸び盛りの会社ほど、
重要なキーワードとなり、時には経営戦略の一部にすらなりえます。

しかし、その男性の新入社員は、こうも言ってました。

終電に乗り遅れた先輩たちが、泊めてくれという事が一時期
あまりにも多く、管理職に相談した結果、「部屋が狭く布団も
ないし、何より家賃を払っているのは彼なのだから、先輩だから
といって後輩に何でも甘えるな、気軽に宿泊するのは禁止だ!」
と、皆の前で通達してもらって、ようやく平穏を手にいれたと(笑)。

ゆえに、「遠交近攻」はともかく、「職住近接」については、
会社とその人次第という事を、最後に付け加えておきます。
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