全員営業のポイント 153話
儲かる会社の営業時間感覚
先日ある経営者から受けた相談です。
(許可をいただき内容を一部アレンジして掲載)
『辻先生、ここ最近、会社の業績は順調で、社員も
がんばっているのですが、何か物足りない気がして
ならないのですが…』
こんな話をしました。
「業績が順調なことで、現状維持に安住せず、
次の段階に進む必要が出てきたのを、内心
感じておられるからじゃないでしょうか?」
竹が大きくなるのに、節目があるように、
営業強化にも段階があります。
最初は、会社の業績下降や、月次では赤字が
続くなどして、その改善が目的です。
ゆえに、状況が改善し、月次で黒字が継続し、
最終決算が回復すれば、当初の目的達成となります。
しかし、そこにも一つの落とし穴があります。
それは、営業の利益性ではなく、時間性にこそあります。
私が見聞きしてきた中小企業の傾向として、通常の
営業現場の感覚では、月末の締めが最も重視され、
そのマネジメントのために、週単位の調整や把握が
行われています。
経営が厳しい会社が先ず目指すのは、業績を回復させること。
ゆえに、月末数字が順調な状態が続くと、結果オーライとなり、
プロセス面の改善が手付かずの落とし穴に陥りがちです。
これを防ぐには、営業分野以外のマネジメントを参考にすべきです。
例えば、製造業が会社の業績目標を達成したとして、
生産現場や工場は、それで満足するでしょうか?
100%の確率で、次の段階として、不良品率の削減や、
1単位当りの生産時間短縮にとりくみます。
営業活動も同様です。
結果オーライの営業を脱却した次の段階では、1時間単位
の生産性アップを図るために、人時生産性という概念
を営業活動にもとりくむべきというのが、私の見解です。
特に、時間外労働にも悩んでいる経営者にとっては、
避けて通ることのできない課題です。
それゆえ、全員営業では、単なる営業強化ではなく、
朝9時~19時までの営業力を、どう強化するかを
主軸に置いてとりくむのです。
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