◆全員営業のポイント 第244話『会社の施策が、きちんと現場で動く会社がやっていること』

 

3月も残すところ、あとわずかとなりました。

この時期は、卒業・就職・転勤・配属などと重なるため、会社の決算月に関わらず、日本全体で一区切りの空気感が醸成されます。

特に、4月~5月は、数十年に一度の元号が変わる節目なので、過去やったことがない新たな施策や、今までとは違う種類の目標を打ち出していこうと考えている経営者には、またとない絶好の機会となるでしょう。

とはいえ、そういう追い風があったとしても、こういった『天の時』ともいうべきものを、活かせる会社とそうでない会社は、如実に分かれます。

では、会社が立てた施策や目標が、きちんと現場で動く会社と、停滞しがちな会社とは、何が違うのでしょうか?

施策や目標に問題がある場合は、いったん脇に置くとして、別の観点から考察してみましょう。

 

 

社員数が30名前後になると、会社は組織としての様相を呈してきます。100名を越えてくると、経営者の一存では決められない事案が増えてきます。

また、会社内に、複数の部門が存在してくるため、何か施策や活動をしようとすると、その検討や活動の前段階で、様々な調整やすり合わせが必要になってきます。

会社の規模が大きくなるほど、意思決定や現場の動きが遅くなる最大の原因は、この点にあると考えています。

しかし、中堅・中小企業であっても、会社の指示が徹底され、現場がスピーディーに動く会社は、もちろん存在しています。

一つは、ビジネス構造がシンプルな会社であり、もう一つは、マネジメント力が高い会社です。

ただ、前者は変えられない場合もあり、後者は一朝一夕にはなれません。

最後の一つは、会社と社員のエネルギーがどこに向けているかです。

 

 

施策がきちんと動く会社は、エネルギーが商売と活動に向いています。

ゆえに、何か行動を起こしたり、新しいことをするのが前提で、検討や計画を練りますし、現場も社員も、そのエネルギーの多くは外向きです。

 

一方、施策が停滞しがちの会社では、かなりのエネルギーが社内と調整に向いています。

そのため、現場で動きや活動をする以前に、前段階の検討や計画の時点で多くの時間と労力がとられがちです。もちろん、各部門が必要な連絡や情報共有をせず自分勝手に動くと非効率ですし、収拾がつかなくなってしまいます。ゆえに、社内調整は不可欠です。

しかし、幾つかの会社では、さほど意味があるとは思えなかったり、二度手間のような社内調整が散見されるのも事実です。そうこうするうちに、時機を逸したり、実際に活動する段になれば当事者はうんざりしていたり、予定がおして現場で必要な準備や体制がとれないなどで、本来の目的が停滞し現状維持に陥ってしまうのです。

 

 

『会社の売上は、会社の外にしか存在しません』

これは、営業活動で成果を出す大前提として、決して忘れてはならないことと考えています。さて、御社の組織や現場は、どこにエネルギーが向いているでしょうか?